9-4. 部位特異的変異DNAの作製
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DNA上の特定の塩基を置換(部位特異的変異)する操作は、希望するDNAをつくるうえで重要
プラスミドの全体合成を介した変異DNA作製法を、以下2つ紹介する
1) トランスフォーマー法
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まず、目的の部位と、ベクターの機能に影響しない酵素認識部位Xについて、変異の入ったオリゴヌクレオチドのプライマー(変異プライマー)でDNA合成後ライゲーションする
次にXで切断後、DNA修復能に欠損のある大腸菌(e.g. BMH71-18mutS株. 野生型だと変異部分が修復されて元に戻りやすい)
プラスミドを回収後、再度酵素X切断と形質転換を行う
しかし変異がなく、切断されて線状になったDNAの形質転換効率が環状DNAにくらえて十分低いため、得られるクローンはおおむね変異をもつ
二度の形質転換で目的DNAが80%以上に濃縮される
2) 制限酵素Dpn Iを使う方法
メチル化が正常なdam+菌で増やしたプラスミドと、目的部位の変異プライマーを両鎖で用意し、耐熱性ポリメラーゼを使い、高温でDNA合成を行う
変性-アニール後、制限酵素Dpn Iで処理(GATCで切断)し、大腸菌を形質転換させる
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Damメチル化部位でメチル化(単鎖あるいは両鎖)されているDNAはDpn Iで消化されるが、変異DNAはin vitro合成されてメチル基がつかないために消化されず、形質転換後のDNAはほぼ目的のものとなる
ニックは細胞内で修復される
memo: 段階的欠失体の作製
長さが段階的に短くなる複数のDNA断片を得る場合は、Bal31ヌクレアーゼやエキソヌクレアーゼIII(3'突出末端をもつDNAでは使えない)で末端から欠失させ、その後マングマメヌクレアーゼで末端を平滑化してベクターに組込む